緊急!まず手を打つべきはサービス残業対策です。
経営者の方にお話をしを伺うと、「うちは成果主義だから、労働時間なんて関係ない。要領よくやるやつは早く帰ってもらってOKなんだよ。残業しろと命じていないから問題ないはずだ」などと、おっしゃられることがよくあります。
しかし、そんな社長のマイルールは労働基準法の世界には通用しないのです。会社にとっては恐ろしいことに、労働基準法は社員に有利になるように解釈をすると決められているのです。もともと労働基準法が成立したいきさつが、会社にこきつかわれて搾り取られているかわいそうな労働者を法律で守ってあげないといけないということだからです。
労働基準法は、労働時間が増える = 賃金も比例して増える(しかも割増で加速的に増える)という建前をとっています。
労働時間を管理しない経営は非常に危険です。労働時間の管理はお金の管理と同じぐらい神経質な問題だとご認識いただきたいと思います。
最近、社員の労働時間数をチェックしたのはいつですか?
サービス残業の取り締まりは、労働行政の最重点課題です。
サービス残業の取り締まりは、近年の労働行政の最重点課題として取り上げられています。以下は、岡山労働局のホームページに記載された内容の引用です。
『岡山労働局(局長 田村智行)では、平成18年(1月〜12月)に管内の労働基準監督署において、時間外労働及び休日労働に対する割増賃金が適正に支払われていないために、労働基準法第37条違反として是正指導を行い、不払いとなっていた割増賃金が支払われた是正状況を取りまとめた。
取りまとめによると、是正事業場数は241件と平成17年に比べ5件減少したものの、割増賃金の是正支払い額は、約3億1,268万円と平成17年に比べ約5,698万円増加した。
岡山労働局では、平成18年における労働者からの割増賃金の支払いに関する労働基準法違反の申告件数が93件と、平成17年の76件に比べ17件増加しており、相談件数も増加していることから、引き続き、賃金不払残業(いわゆるサービス残業)の解消を最重点対策とし、事業場に対する監督指導等を実施することとしている。』
サービス残業には、4種類ある
サービス残業には4種類あります。
@ そもそも誰にも残業代を払っていない
A 残業代の計算が、法律で定められた計算方法より下回っている
B 管理職(役職)手当が安すぎる
C 残業時間に上限を決めて打ち切る
このところ、労働基準法に定める残業代がいらない管理監督者に注目が集まっており、Bが問題になってきています。
最近、いわゆる「名ばかり管理職」について、厚生労働省が各地の労働局長宛に指導を強化するように通達を出しました。今後は管理職(役職)手当を支給されている人が本当に法律の定める管理監督者にあたるのか、その実態判断にまで労働基準監督署は踏み込んでくることでしょう。
サービス残業をさせているとどうなるのか?
サービス残業をさせているとどうなるのでしょうか?
@ 2年遡って残業代を支払わなければなりません。
給料の消滅時効は2年間と決められているからです。
さらに、未払いの残業代の倍額を支払わなければならない場合があります。(これを「付加金」といいます。制裁金のことです)。
おまけとして、14.6%の割合で、利息もとられます。
御社には何人の社員がいますか?その人数*2年分の残業代を一気に支払うことになったら会社が傾くということがないでしょうか?
A 前科がつきます。
労働基準法というと、社員と会社との関係を決めた法律と思いがちですが、それだけではありません。会社が労働基準法違反をした場合には国が刑罰を課す根拠となる刑罰法規なのです。それだけのことで前科者になってしまうのです。
B 社員のモチベーションが下がります。
もし、得意先が有無を言わさずに勝手に代金を減額してきたら頭にくるでしょう。サービス残業をさせるということは同じ思いを従業員にもさせるいうことです。社員にしてみれば、「会社は正当に働いた対価を払わないのだから、少々手を抜いても構わない」「こんな会社とはでいるだけ早く手を切りたい」となるにきまっています。会社が法律で決められた義務を果たすことによってはじめて社員にもしっかり働くことを要求できるのです。
会社を潰さないためには、また、会社業績をあげるためには、当たり前のことを当たり前にすることがまず最初の対策となります。